取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
2 勤務負担軽減
正職員について多様な勤務形態(短時間勤務、短日勤務、交代制勤務、フレックスタイム制など)を活用している
【取組(2)】
Ⅱ.職員の健康支援
1 健康管理
その他
休暇の取得促進、健康支援管理
【取組(3)】
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備
3 風土・環境整備
その他
診療記録のコンピューター化、グループウェア活用による伝達、報告
【取組(4)】
Ⅳ.働きがいの向上
1 キャリア形成支援
専門資格の取得を支援する制度を設けている

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

当院は、職員採用の面で近隣の大病院と競合したり、透析業務が3Kのイメージを持たれやすかったりと、看護職員の獲得において厳しい環境にあった。そのため、設立当初から看護職員の確保・定着に向けて様々な取組を行ってきた。

取組対象

  • 取組対象
    看護職
  • 取組の中心部署・人物
    前理事長、現理事長
  • 取組詳細
    職員が一丸となって、様々な活動を行ってきた。一方で、当院では一人ひとりの個性や能力を発揮してもらうことを重視している。そのため、経営層からトップダウンで一方的に施策を決定・実行するのではなく、職員の気付きの中から得られた提案事項をとりまとめながら、経営幹部と現場との合議制のスタイルで施策の検討や推進を行っている。
    ○働き続けやすい職場づくり
     透析治療には時間がかかる。患者の透析治療の利便性を高めるために開院時間を早め診療時間を延ばし、透析室の勤務シフトを20種類以上設定した。その一方で、看護職員が働きつづけられるよう、本人のライフステージに応じて働き方を選択できる仕組みも整えてきた。
     従来から導入していたフレックス勤務制度に加え、夜勤専従制度、短時間正職員制度などの多様な働き方の仕組みを導入している。当院の短時間正職員制度は、法定の水準を超える内容のもので、①勤続5年以上、②適用事由は子育て・介護・病気など(子どもの年齢制限は特に設けていない)、③経営幹部会議で承認を受けること、の3点を条件に制度の理由を認めている。
     職員が心身ともに健康な状態で勤務できるよう、完全週休2日制などによる休暇の取得促進や、古武術介護教室や腰痛対策のストレッチ教室などによる健康支援管理にも力を入れてきた。古武術介護教室などは、患者やその家族も参加することができ、ニーズも高い。
     さらに、業務の生産性向上にも長い期間にわたって取り組んできた。業務時間の短縮や効率化を図るため、診療記録のコンピュータ化等によりカルテへの転記を不要にしたり、グループウェアを活用することで情報の伝達や報告をスムーズに確実に行っている。
     生産性の向上には、現場の職員による創意工夫が大きく寄与している。グループウェアを活用した「報告・提案制度」では、職員からの提案や改善内容をグループウェアで全員が共有できるようにしている。報告された内容に対して、他の職員からコメントを付けたり、効果の高いカイゼン・テイアンに対して高額の報奨金を支給したりすることで、職員達は楽しみながら業務の効率化や創意工夫に取り組んでいるようである。
     さらに、特定の職員に対して、個性やスキルに合った複数の業務を兼務してもらう「マルチタレント制度」を運用している。イラストが得意なマルチタレント職員には、院内ポスターや患者説明用パンフレットなどを分かりやすくイラストで作成してもらい、患者に対して分かりやすく情報を伝えることに貢献してもらっている。
    ○働きがいのある職場づくり
     職員のスキルアップは、医療の質の向上にもつながる大切な要素の一つであり、職員の仕事へのやりがいを高めることにつながるため、職員の学びや資格取得の機会の提供にも力を注いできた。慢性腎臓病療養指導看護師などの資格取得者や、日本透析医学会などの学会発表者を対象とした手当を支給し、職員の学習支援を行っている。さらに、e-ラーニングを新人看護職員のOJTの補完的な要素として活用している。また、学習の利便性を高めるために、新人職員全員にiPadを配布し、いつでも学習しやすい環境を整えている。

実施後の成果

Ⅴ.その他_成果
何か課題があれば改善に取り組むという姿勢は、当たり前の風土として根付いている。
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(3)】
成果指標 学会、研究会に参加したものは報告書をグループウェアを使い全職員へ向けて報告、提案をおこなう。・平成29年度、学会・研究会等のグループウェアによる報告件数54件。
Ⅴ.その他_成果
一人ひとりが個性や能力の発揮を促し、患者ニーズに応える医療サービスの質の向上につながっている。
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(4)】
成果指標 勤務時間帯をなるべく職員のライフスタイルに合わせたものになるように作成している。育児休業明けの職員などは残業の少ない部署の選択もできる。・多様な勤務シフトの作成。 ・平成29年度、有給休暇100%取得。・平成29年度、育児休業復帰率100%。
Ⅳ.働きがいの向上_成果
1 キャリア形成支援 成果
研修・学会への参加職員数や、職員による学会への発表数が増えている
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(4)】
成果指標 職員のキャリア形成のため、資格取得や学会発表を支援している。・平成29年度、慢性腎臓病療養指導看護師6名。 ・平成29年度学会発表件数23件。

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

 経営層から職員一人ひとりに至るまで、何か課題があれば改善に取り組むという姿勢は、当たり前の風土として根付いている。このことが、職員の定着だけでなく、一人ひとりが個性や能力の発揮を促し、患者ニーズに応える医療サービスの質の向上につながっている。
 職員が退職する場合は、当院で頑張ってきたことへの感謝と次の再就職に役立ててもらうため、学会発表や取得資格などの実績証明書と感謝状を渡している。当院には、仕事に誇りとやりがいを持っている職員が多く、家庭の事情などで当院を離れることがあっても、看護職の仕事を離れた者は少ない。こういった事も取組の効果として言える。

今後の課題等について

 これまでは、職員の貢献や仕事ぶりに対する評価の表し方の一つとして、資格取得や学会発表などへの取組に対する処遇を行ってきた。今後は、人事評価制度を導入し、評価した結果を人材育成に活用するなど、貢献の高い職員に対して処遇する仕組みづくりについて検討していきたい。

取組・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
医療法人 真鶴会
病院名
小倉第一病院
法人(病院)の開設主体
医療法人
所在地
福岡県北九州市小倉北区真鶴2丁目5番12号
主たる医療機能の特徴
慢性期機能
一般病床
病床数: 32
 
入院基本料:10対1
療養病床
病床数: 48
 
入院基本料:療養病棟入院基本料1
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数:
 
入院基本料:
その他病床
病床名:
 
病床数:
 
入院基本料:
一日あたりの平均外来患者数
118.9人(平成29年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
51.2人(平成29年度数値)
一般病棟の平均在院日数
19.9日(平成29年度数値)
病床稼働率
64%(平成29年度数値)
職員総数
140人(平成29年度数値)
医師
4人
看護職
69人
医師事務作業補助者
0人
看護補助者
21人
医師の交代制勤務の有無
なし
看護師の交代勤務の状況
2交代制(変則含)
勤務環境改善についての表彰・認定等について
・平成18年 北九州市 子育てしやすい環境づくりを進める企業・団体等表彰 市長賞 ・平成20年 北九州市 ワークライフバランス表彰 市長賞