取り組んだ内容
【取組(1)】 Ⅰ.働き方・休み方改善 |
2 勤務負担軽減 |
チーム医療や多職種連携(業務分担・連携の強化等)により負担軽減を図っている |
入院加療を要した骨粗鬆症性脆弱性骨折(大腿骨近位部骨折・脊椎椎体骨折)症例に対して、近隣系列回復期リハビリテーション病院も含めた、医師、メディカルスタッフ(事務職も含めた)双方が共通認識のもとSTOP AT ONE(2骨折予防)を目指して、骨粗鬆症リエゾンサービス簡易評価票(以下:OLS-7)をベースとした、骨粗鬆症治療の導入と継続が多職種の評価、介入のもと実施できる体制の構築と実践を行っている。 |
【取組(2)】 Ⅴ.その他 |
2次骨折予防のため、適切な評価に基づいた安心・安全な骨粗鬆症治療の導入・継続フォローアップ体制の構築と実施 |
1.ガイドラインに法って、適切な骨粗鬆症に対する評価を実施し、全例に骨粗鬆症治療を導入すると共に、系列回復期リハビリテーション病院においても、継続したフォローアップ体制を確立し実践している。(転院後も、当院整形外科専門医が毎週回診を実施)。 2.DPC病院のなか、病院長の理解を得て全例に対し治療に必要な各種検査(DEXA、骨代謝マーカー等)を実施し、適切な治療を提供している。 3.当院、当グループの理解を得て当院に入院中および系列回復期リハビリテーション病院へ転院された症例についても、継続してテリパラチド連日製剤をはじめ、必要な投薬の継続使用が可能な体制を構築している(十分な他科医師や知識を有しているメディカルスタッフの協力体制あり)。 4. 退院後(系列回復期リハビリテーション病院含め)のフォローアップは、基本的には自院外来にて、骨粗鬆症に専門的な知識を有した医師らにより、長期的に適切な検査・治療を継続する体制を構築している。また、遠方等の他院へ紹介する場合は専門知識を習得しているメディカルクラークらの補助によって、適切な診療情報提供書を作成し確実な情報提供を行っている(近隣開業医の協力体制あり)。 5.安全な治療導入継続のため、患者情報をデータベース化して管理することを目的に、専従の骨粗鬆症診療支援コーディネーターを新設する。(入院直後に、多職種に連絡し周知をはかると共に、外来にて治療脱落症例の抽出や有害事象等の発生防止対策まで幅広く対応する) 6.リハビリテーション(入院中は、他職種に比べて多くの時間を共有できる)において、入院中から手術症例では術前後評価や介入を徹底していると共に、入院加療症例においても同様に、患者さんに安全(動作指導や転倒予防の徹底)な自宅復帰を見据えたリハビリテーション計画を立案し、リハビリテーションを実施する中で、信頼関係を構築し二次骨折予防の重要性への理解を深めて頂き、治療継続に繋げる一翼を担う。 7.客観的かつ多面的に患者さんを把握していくことを目指して、サルコペニア(体組成、アジア基準使用)や フレイル(基本チェックリスト使用)の評価を全例で実施している(系列回復期リハビリテーション病院にも リハビリサマリーで共有している。 8.体制強化のため骨粗鬆症リエゾンサービス委員会を設置している。組織としては、部署ごとに専門的に役割を分担(OLS-7使用)すると共に、プロトコールを作成し実行してきた。次に、職員啓発としても、短時間の勉強会や体験会を定期的に開催している。これらから、職員の骨粗鬆症治療に対する知識や意識が向上し、安全な治療導入や継続に向けた取組(院内の体制から患者家族教育等まで)を実現してきている。また、仕事が整理され、効率的な体制となったことで人的な負担までおも軽減がみられている。 2次骨折予防(FLSクリニカルスタンダードに則って)の実際 1. 患者・家族に向けた骨粗鬆症治療全体の補足説明、啓発活動(リーフレット等用いた個別指導や地域勉強会開催) 2. 電話や手紙による骨粗鬆症診療支援コーディネーターや骨粗鬆症マネージャーによる追跡調査(未受診症例へ健康チェック連絡) 3. 骨粗鬆症診療支援コーディネーターによる他科外来受診時等も含めた待合室での声かけやコミュニケーション体制(必要に応じて迅速に主治医に報告し問題解決)。医事課からの対象症例(他科含め)の受診受付時に迅速に連絡等を行う連携体制 4. 地域の協力病院施設(クリニック含め)と連携(コロナ等の緊急時に投薬継続の協力等) 5. コロナ等緊急事態時の電話診療 6. 薬剤師・看護師等による薬剤の注意点をはじめとした骨粗鬆症治療関連事項(骨密度の見方や転倒、サルコペニア・フレイル等)についてのパンフレット配布やポスター掲示して注意点等の啓発を促進 7. 多職種が連携して転倒予防や栄養指導等について役割を分担(OLS−7)してFLSクリニカルスタンダードで必要とされる各種指導を全症例に対して実施する 8. 系列回復期リハビリテーション病院や近隣病院施設と勉強会や情報交換会を開催して、お互いに顔の見える連携を構築 9. 骨コツWeekと称した骨粗鬆症を感じる週間を開催し、職員健康管理とともに骨粗鬆症を身近に感じて知ってもらうため、座学だけではなく、全職員対象としたDEXAを用いた骨密度・BIA法による骨格筋量測定会(任意)を実施し、職員の知識と意識の向上をはかる(他にも運動や栄養についても体験会を実施中)。 10. 日本骨粗鬆症学会が主導する前向き研究“J-OLS”に参加し、臨床データを最速で施設分担分の150例に到達させた。この経験から、より各部署の役割や評価方法について修正が図られたことで、各部署の負担軽減と作業効率を高めた取り組みとへと成長することができた(対象症例の入院周知や各部署の役割をお互いに理解する、投薬状況などのデータ管理等)。 |
【取組(3)】 Ⅴ.その他 |
重症骨粗鬆症性脊椎椎体骨折症例 |
1.重症骨粗鬆症生脊椎椎体骨折症例(経皮的椎体形成術Ballon kyphoplasty:BKP症例等含め)に対して、看護職員(病棟・外来)誰もが、テリパラチド連日製剤の導入や継続指導ができる体制を構築し、知識を有した看護師、薬剤師の指導のもと、症例や家族の不安を解消した上で適正使用をサポートしている。 2.テリパラチド連日製剤については、系列回復期リハビリテーション病院との間で、独自の同一チェックシートを作成し共通認識のもと継続した適正使用に努めている。(系列リハビリテーション病院との共同研究を日本骨粗鬆症学会で報告) 3.回復期病院退院後も、必要に応じて再度テリパラチド連日製剤使用方法等について看護師、薬剤師が指 導し、症例や家族の納得を得て適正使用を継続していただける体制を提供している。(導入継続については各種講演会で発表し報告) 4.安全なADL動作の獲得を目指し、日常動作や自主トレーニング指導の手引きを作成し配布している。 |
【取組(4)】 Ⅴ.その他 |
大腿骨近位部骨折手術症例(早期手術・離床) |
多職種で協力して早期手術を目指す体制 1.救急搬入・ウォークイン症例に対し主治医が必要と判断した場合、すみやかに内科等への診察を実施する体制あり(小規模の当院ならではの院内医師間連携) 2.統一した電子カルテの手術前検査一式を作成し、どの医師でも迅速に指示ができる体制を構築し、メディカルスタッフもその内容や必要性を十分に理解して職務にあたっている 3.麻酔医・手術室看護師とのスムーズに連携をする体制がある 4.各職員が「早期手術の必要性を理解し当然のこと」との意識が芽生えている 5.時にメディカルスタッフから医師へ、早期手術の検討を依頼する体制構築 手術症例の周術期および保存症例の臥床期間の管理(脊椎椎体骨折含め) 1. 適宜他科医師との協力体制あり 2. 病棟と多職種で連携した認知機能低下(MMSE)やせん妄(せん妄ハイリスク患者チェックシート等使用)の評価や早期からの予防に努めている。 3. 超早期リハビリテーションとして、術前介入・評価と術翌日離床の徹底(日本骨粗鬆症学会へ報告) 4. 看護・リハビリスタッフによる病棟での病室の環境設定やポジショニングやシーティング、食事介入の徹底をはかっている。(必要に応じて褥瘡回診) 5. 管理栄養士による栄養指導(必要に応じてNST介入) 6. 早期からの医療ソーシャルワーカー、退院支援看護師による退院・退院支援と多職種共有した体制 |
【取組(5)】 Ⅳ.働きがいの向上 |
1 キャリア形成支援 |
正規・非正規を問わずすべての職員のキャリア形成支援(研修等に関する情報提供や研修等への職員参加の支援、子育て等と両立しながらの勤務の継続に関する相談窓口の設置や情報提供等)が実施されている |
1.骨粗鬆症マネージャーやサポーター等資格取得サポート2.外部研修や勉強会への参加支援と情報提供、全国各地域の施設と交流(情報交換会や施設見学等)3.学会や講演会等で当院の現状や成果を多職種で協力して複数演題作成して発表(日常業務を科学的に検証して理解することで問題点の抽出から解決がはかられ、やりがいを獲得)4.職種をまたいだグループ内や地域での連携会(患者のその後がわかる症例検討会含め)や情報交換会の開催、参加(多職種の現状や患者経過を共有し把握する)5.各種企画の立ち上げから活動継続など、マネージメントスキルの獲得6.勤務環境として子育てとの両立支援7.勤務時間の充実として、業務内容の見直しとタイムマネジメントを行い、チーム医療に取り組む時間の拡充8. 患者・家族への説明や介入の質を向上させるため、よりキャリア形成、スキル向上のための取り組みをするようになり、骨粗鬆症マネージャーの資格取得や学会・勉強会参加と活動の幅や人脈が広がることへと繋がった。 |
取組のきっかけ、背景、取組前の問題点
当院チャンピョンドクター安岡宏樹医師(整形外科)は脊椎脊髄外科の指導医であり骨粗鬆症専門医(日本骨粗鬆症学会評議員)でもある。超高齢社会の現在、高齢運動器疾患症例に携わる医療従事者は骨粗鬆症について、正しい知識を持ち対峙する必要性や医師のみでは充実した治療は困難なことを考え、約10年前に当院へ着任した当時より、質の高い医療提供のためメディカルスタッフや事務方も含めた連携の重要性を示してきた。また、その志に共感した職員達が有志の会として、「痛い思い(骨折)を最初で最後にしたい(Stop at one)」との思いから、確実な骨粗鬆症治療の導入(投薬継続含め)や自分たちの仕事を客観的に評価し研鑽していくことを目指し、話題のサルコペニア、フレイルについても学び、骨粗鬆症マネージャーやサポーター、サルコペニア・フレイル指導士といった資格を取得するとともに、臨床現場の実際について研究発表を行ってきた。それらの活動の中で、自らの仕事を客観的に振り返り科学的に見つめ直すことで、その重要性を再認識するとともにやりがいを見つけてきた。また、当時から多くの研鑽を重ねてきたことで、働き方改革が示された現在においても通用する、仕事効率をも高める事が出来てきた。それらを大きく飛躍させたきっかけの1つに、「救急車を断らない急性期病院」を掲げ、積極的に地域医療を推進する鈴木昭一郎院長(外科)の存在や、当グループ法人巨樹の会の基本理念である「手には技術、頭には知識、患者様には愛を(蒲池真澄CEO)」に加え、超高齢社会の骨領域に対して「骨まで強くする急性期・回復期リハビリテーション病院」をスローガンに活動をしてきたことが挙げられる。それは、包括医療のなかにおいても、再骨折予防のためには適切な評価に基づいた骨粗鬆症治療の導入継続が重要であるとする考え方を採用してくれていることからも組織に根ざしていることが考えられた。そのため、当院のみならず関連回復期リハビリテーション病院においても、必要な投薬(テリパラチド連日製剤含め)を継続使用する体制の確立があり、より早期から1日最大3時間のリハビリテーションが提供できる、回復期リハビリテーション病院への早期転院、加療の体制を整備してきたことなどが挙げられる。しかし、各々職員は一般業務を抱えていることもあり、有志の会のままでは、その活動には限界があった。そこで、当院では、2017年にそれまでの活動実績もあったことから、骨粗鬆症リエゾンサービス委員会の設立許可を得るはこびとなった。その後、患者管理を目的とした専従の骨粗鬆症診療支援コーディネーターの設置を経て、本格的に医師から発信する一方向性ではなく、適切に管理された症例に対して、お互いに発信し合う「双方向性の活動へ」と発展した仕事としての、多職種連携による活動となった。しかし、治療導入したとしても地域にもどった症例は、施設入所や家庭環境等様々な原因で治療継続が困難なことも多く、まだまだ今後の課題となっている。
取組対象
- 取組対象
医師,コメディカル,看護職
- 取組の中心部署・人物
整形外科
医師事務作業補助者
理学療法士
診療放射線技師
看護師
診療情報管理士
- 取組詳細
1. 開始した当時(3年前まで)は有志の会であったが、現在では病院長の了承をえて、委員会活動となった。委員会構成は(医師2名、看護部(看護部長、病棟・外来・手術室・退院支援)、リハビリテーション科(PT・OT・ST)、放射線科、薬剤科、検査科、栄養科、診療情報管理室、医事課、地域連携室、メディカルクラークからメンバーを選任し、総勢20名体制で月1回の会議を開催している(日本骨粗鬆症学会認定医1名、骨粗鬆症マネージャー7名、骨粗鬆症サポーター4名在籍)。
2. 組織化には多くの問題点もあったが、業務効率と医療の質を高めるために改善策の実行について
は、現状のデータを客観的に評価するとともに、問題点を抽出し、多くのメンバーの意思を踏まえ納得し共通理解としたなかで、トライアンドエラー方式で進んできた。また、この活動は継続が非常に重要であり、持続可能な方法を絶えず探求している。
3. 結果の共有では、内部への情報共有として委員会での周知、各種勉強会開催、院内掲示物や配布物を通して患者やその家族への教育など積極的に行っていく。次に、外部については学会発表、各種講演会や地域情報交換会にて随時報告させていただいてきた。また、スタッフには決して過度なストレスとならない範囲で協力し合い、多様な経験をしてもらいながら、やりがいをもってもらえるように努めている。
取組詳細
1. 開始した当時(3年前まで)は有志の会であったが、現在では病院長の了承をえて、委員会活動となった。委員会構成は(医師2名、看護部(看護部長、病棟・外来・手術室・退院支援)、リハビリテーション科(PT・OT・ST)、放射線科、薬剤科、検査科、栄養科、診療情報管理室、医事課、地域連携室、メディカルクラークからメンバーを選任し、計18名体制で月1回の会議を開催している(日本骨粗鬆症学会認定医1名、骨粗鬆症マネージャー7名、骨粗鬆症サポーター4名在籍)。
2. 組織化には多くの問題点もあったが、業務効率と医療の質を高めるために改善策の実行について
は、現状のデータを客観的に評価するとともに、問題点を抽出し、トライアンドエラー方式で行ってきた。また、この活動は継続が非常に重要であり、持続可能な方法を絶えず探求している。
3. 結果の共有では、内部への情報共有として委員会での周知、各種勉強会開催、院内掲示物や配布物を通して患者やその家族への教育など積極的に行っていく。次に、外部については学会発表、各種講演会や地域情報交換会にて随時報告させていただいてきた。また、スタッフには決して過度なストレスとならない範囲で協力し合い、多様な経験をしてもらいながら、やりがいをもってもらえるように努めている。
実施後の成果
Ⅳ.働きがいの向上_成果 | ||
1 キャリア形成支援 成果 | ||
医師事務作業補助者から、専従の”骨粗鬆症診療支援コーディネーター”と称した院内独自の部署を設置し、データベースの構築と運用 | ||
成果の出た対象 | ☑医師,☑コメディカル,☑看護職 | |
成果に影響を与えた取組 | 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(3)】 【取組(4)】 【取組(5)】 | |
成果指標 | 骨粗鬆症治療導入と継続に対する、骨粗鬆症診療支援コーディネーター(専任)による管理体制の獲得(導入、追跡フォロー率改善) 1.退院時骨粗鬆症治療導入率: 骨粗鬆症診療支援コーディネーター設置前47.2%から設置後100%達成 2.一年後追跡率骨:粗鬆症診療支援コーディネーター設置前49.1%から設置後98.3%達成 3.治療継続率:骨粗鬆症診療支援コーディネーター設置前54.5%から設置後86.3%達成 |
Ⅳ.働きがいの向上_成果 | ||
1 キャリア形成支援 成果 | ||
(関連する講演会等での発表含む) | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☐看護職 | |
成果に影響を与えた取組 | ||
成果指標 | 院内多職種のみならず、系列回復期リハビリテーション病院間の共同研究を含めた学術活動の充実 1.関連学会発表件数:多職種合わせて60演題以上(活動開始以来) 2.講演会での発表(医師・メディカルスタッフ・事務)昨年100件以上(活動開始以来) |
Ⅳ.働きがいの向上_成果 | ||
2 勤務負担軽減 成果 | ||
多職種連携により骨粗鬆症治療に対する専門性を生かした業務分担と共通認識の構築 | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☐看護職 | |
成果に影響を与えた取組 | ||
成果指標 | 多職種で組織化した中で、役割を分担(OLS-7)し適切な評価に基づいた骨粗鬆症治療の導入 1.入院中に、患者様やそのご家族に対して、リーフレットを用いて骨粗鬆症治療の重要性を共有する体制構築 2.各種勉強会や体験会の開催や実臨床での活用を通して、職員骨粗鬆症治療の理解率(職員アンケートより)97%を達成(任意の職員意識調査より) 3.大腿骨近位部骨折手術症例に対する術前待機期間について、2017年前1.7日(82.4歳)から2019年は平均1.0日(平均81.5歳)と短縮した(全国4.2日:平均84.2歳)。また、在院日数も平均15.9日(全国36.2日)を達成 4.大腿骨近位部骨折呪術症例については、術前からのリハビリ介入・評価96.7% 術翌日離床(立位以上)90.2%を達成 |
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果 | ||
3 風土・環境整備 成果 | ||
院内委員会の設立と近隣系列回復期リハビリテーション病院との連携窓口設置 | ||
成果の出た対象 | ☑医師,☑コメディカル,☑看護職 | |
成果に影響を与えた取組 | 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(3)】 【取組(4)】 【取組(5)】 | |
成果指標 | 1.有志の会から病院公認の骨粗鬆症リエゾンサービス委員会(月1回)設置 2.関連多職種・部署(事務含め)総勢20名(骨粗鬆症マネージャー7名) 3.系列回復期リハビリテーション病院の間で、包括医療下においても、共通の価値観と運用フォーマットを用いて投薬(テリパラチド連日製剤等)の適正使用を実現 また、骨粗鬆症治療の3本柱(投薬・転倒予防・サルコペニア・フレイル)を選定し、各々担当窓口を設置し、問題点の修正が適宜行える体制の構築 |
Ⅴ.その他_成果 | ||
国内外の機関からの評価 | ||
成果の出た対象 | ☑医師,☑コメディカル,☑看護職 | |
成果に影響を与えた取組 | 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(3)】 【取組(4)】 【取組(5)】 | |
成果指標 | 1.国際骨粗鬆症財団(IOF)Capture the fractureで銀賞受賞する 2.m3の記事に取り上げられたり、FLSmore等の冊子として臨床データや活動が採用される 3.日本脊椎脊髄病学会優秀論文や日本骨粗鬆症学会座長推薦論文等への選出される |
これまでの取組成果に対する院内の声・反応
骨粗鬆症の知識を共有(日常業務や骨コツWeek:勉強・体験会等)してきたことで、多職種が各々を理解し、職員間のコミュニケーション環境が向上(職員アンケートより「投薬は重要だったんだね、先生に投薬について聞くようになった」「患者さんの為にも、せん妄とか看護負担も減るし早く手術してもらいたい」「他の職種についても理解できて来た」)した。また、国際骨粗鬆症財団(IOF)Capture the fractureで銀賞受賞したことで、職員意識も「本当に国際機関にも認めてもらえるような、患者さんのためになっていることをやっていたんだ」と知ることから、患者さんのために当然のようにやっていた日常業務から、専門職としての自信と意欲を併せ持って働ける組織となった。
今後の課題等について
本邦では、骨粗鬆症患者は全国に1300万人いるとされているが、例えば、大腿骨近位部骨折症例において、1年後に骨粗鬆症治療が継続されているのは約20%と継続率が非常に困難なことが報告されている。また、1度骨折すると適切な治療なしには骨折は連鎖し、患者ADLおよびQOLのみならず生命予後まで低下させることが知られている。また、最近ではその家族の25%が離職や休職等を余儀なくされていることが示された。これらからもその対策は急務となっている。しかし、現状では骨粗鬆症治療が導入されたとしても、その多くが急性期病院を経て地域に戻る過程の中で、治療は中断され再骨折リスクが高い状態で放置されていることが解決すべき課題となっている。当院を退院された症例についても例外ではなく、確実な治療導入は達成されたが、継続については離脱等(施設入所や家族の協力困難な症例等)もあり解決すべき課題がある。また、骨粗鬆症治療は一時的な治療ではなく生涯にわたり継続を要する可能性が高いことからも、末長い適切な治療を提供できる受け皿の整備なしに問題の解決はないと考えられる。そのため、当院では今後、最大の課題である地域連携に力を入れ、「骨折は一度にできる町」「骨を折らずに、歩み続けられる町へ」を目標に、行政や大学と協力してBone smart city Tokorozawaと称した活動を進め、地域(医療と介護連携)で途切れない骨粗鬆症治療連携の構築を目指していく必要がある。
取組・提案者概要
- 取組者
- 病院単体での取組
- 法人名
- 巨樹の会
- 病院名
- 所沢明生病院
- 法人(病院)の開設主体
- 個人
- 所在地
- 埼玉県所沢市山口5095番地
- 主たる医療機能の特徴
- 急性期機能
- 一般病床
- 病床数: 50
- 入院基本料:7対1
- 療養病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- 結核病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- 精神病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- その他病床
- 病床名:
- 病床数:
- 入院基本料:
- 一日あたりの平均外来患者数
- 121.4人(令和1年度数値)
- 一日あたりの平均在院患者数
- 47.9人(令和1年度数値)
- 一般病棟の平均在院日数
- 9日(令和1年度数値)
- 病床稼働率
- 95.9%(令和1年度数値)
- 職員総数
- 230人(令和1年度数値)
- 医師
- 8人
- 看護職
- 102人
- 医師事務作業補助者
- 4人
- 看護補助者
- 10人
- 医師の交代制勤務の有無
- なし
- 看護師の交代勤務の状況
- 2交代制(変則含)
- 勤務環境改善についての表彰・認定等について